2025.10.22
ストーリーズは“24時間で消える”一方で、フォロワーとの接触頻度を高め、購買・来店・問い合わせに直結する強力な導線です。
フィードやリールのような新規ユーザーとの接点になるコンテンツとは異なり、ストーリーズは主に既存フォロワーとの関係性を深めるツールとして機能します。
「Instagramのメインユーザー層である20代〜30代の女性がもっとも使用しているのはストーリーズである」という調査結果もあり、企業のInstagram運用においてストーリーズ活用はマストだと言えるでしょう。
しかし、「ストーリーズをどう活用すれば良いのか分からない」「効果的な運用方法が知りたい」といった悩みを抱える企業担当者様も少なくありません。
本記事では、ストーリーズの基本的な機能から重要性、企業アカウントが実践すべき効果的な活用方法までをプロ目線で詳しく解説します。
Instagramのストーリーズとは?
Instagramのストーリーズ(Stories)とは、24時間で自動的に消える写真や動画を、スライドショー形式で気軽に投稿できる機能です。
通常のフィード投稿やリール投稿とは異なり、ハイライトに残さない限りはプロフィール画面に残らないため、「今この瞬間」の日常的な出来事や感情などをリアルタイムでシェアするのに最適なツールとして、多くのユーザーに利用されています。
ホーム画面の上部に表示される、丸いアイコンがストーリーズです。
フォローしているアカウントが新しいストーリーズを投稿すると、アイコンの周りにカラフルなリングが表示されます。

【ストーリーズの投稿手順】
①ストーリーズ作成画面を開く
ホーム画面を右にスワイプするか、画面左上に表示されている自分のアイコン(プロフィール画像)の「+」マークをタップします。
②撮影または写真・動画を選択
表示されたカメラ画面で、撮影ボタンをタップして写真を撮るか、長押しして動画を撮影します。
画面左下のアイコンから、スマートフォンに保存されている過去の写真や動画を選択することもできます。
③加工・編集する
画面上部に表示されるマークを選択して、テキスト、スタンプ、エフェクトなどを追加し、自由に投稿をデザインします。
④投稿する
編集が完了したら、画面左下の「ストーリーズ」をタップすると投稿がシェアされます。
ストーリーズの主な特徴は以下の通りです。
24時間で消える
投稿した内容は24時間で自動的にアーカイブされ、他の人からは見えなくなります。
(「ハイライト」機能を使えばプロフィールに常時表示させることも可能です。)
【関連記事】Instagramのハイライト仕様変更で何が変わった?旧UIとの違いやよくある質問、アップデート後の活用法まで徹底解説
フルスクリーンで表示される
Instagramのストーリーズの推奨サイズは1080 × 1920 px(縦横比9:16)です。
このサイズの画像・動画を投稿すると、リール同様にスマートフォンの画面いっぱいに表示されるため、没入感のあるコンテンツを共有できます。
9:16サイズの素材でない場合はそのまま投稿されますが、編集画面で簡単にフルスクリーンに拡大することも可能です。
多彩な加工・編集機能がある

テキスト入力や手書きペンはもちろん、ARエフェクト(フィルター)で写真や動画をユニークに加工できます。
また、フォロワーとコミュニケーションを取る際にも活用できる、次のようなスタンプも用意されています。
・質問:フォロワーから質問を募集できます。
・アンケート:2〜4択のアンケートを実施できます。
・リアクション:絵文字を自由に選択して配置し、フォロワーからワンタップでリアクションを送ってもらうことができます。
・ミュージック:投稿に好きな音楽(BGM)を追加できます。
・GIF:動くスタンプで投稿を華やかにできます。
・場所:投稿にロケーション情報を追加できます。
・メンション:「@ユーザー名」で他のアカウントをタグ付けできます。
・ハッシュタグ:「#ハッシュタグ」で関連するトピックと投稿を繋げることができます。
フィード投稿・リールとの違い

Instagramの主な投稿形式は、「フィード」「リール」「ストーリーズ」の3種類に分けられます。
それぞれの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることが成果への近道です。
| 種類 | 特徴 | 向いている目的 |
| フィード | ・長期的に残る ・検索・発見に長く表示されやすい | ・ブランドの信頼構築 ・顕在層への訴求 ・保存やプロフィールアクセス |
| リール | ・拡散力が高く非フォロワーにも届く ・より広いユーザー層にアプローチできる | ・新規層へのリーチ拡大 ・フォロー獲得 ・映像での訴求 |
| ストーリーズ | ・24時間限定の表示 ・主にフォロワーに見られる | ・フォロワーとの関係構築 ・リアルタイムな告知 ・外部サイトへの流入 |
簡単に言えば、フィード=信頼、リール=集客、ストーリーズ=関係維持と捉えると分かりやすいかもしれません。
フィードやリールよりも気軽に、そしてクリエイティブに自分を表現できるストーリーズは、フォロワーとのコミュニケーションを深めるための強力なツールです。
ただし、どれか1つに偏るのではなく、3つを組み合わせて運用することをおすすめします。
ストーリーズが企業アカウントにとって重要な理由
Instagramのストーリーズは、その特性から企業アカウントにたくさんのメリットをもたらしてくれます。
「とりあえず更新」でも一定の反応は得られますが、戦略的に活用することでビジネスの成果に大きく貢献します。

リーチやエンゲージメント率が多い
ストーリーズは、Instagramユーザーの多くが日常的に閲覧するコンテンツであり、フィード投稿よりも高いエンゲージメント率を誇る(=反応してもらいやすい)と言われています。
拡散力こそありませんが、Instagramの公式発表によると、アクティブユーザーの約70%が毎日ストーリーズを閲覧しているというデータもあり、企業がターゲット層にリーチするための強力なチャネルとなることは明らかです。
また、ストーリーズはフォロワーのフィード上部に常に表示されるため、視認性が高く、より多くのユーザーの目に触れる機会があります。
リアルタイム性と親近感が強み
24時間で消えるという特性は、「リアルタイム感」や「素の様子」を見せる場として適しています。
イベントの中継、新商品の速報、舞台裏の様子、期間限定のキャンペーン情報など、今しか見られない限定コンテンツを共有するのに最適。
かつ、フィードやリールのように構成を練りすぎる必要がないため、企業の“裏側”を発信しやすくなります。
こうした“温度のある発信”は、ユーザーに安心感や親近感を与え、企業・ブランドとの距離が縮まります。
より深い関係性を構築し、最終的な購買行動(CV)にも繋げることが可能です。
フォロワーとの継続的な接点をつくれる
フィード投稿がアルゴリズムによって表示されにくくなっている現在、「確実にフォロワーの目に届く」ストーリーズの存在は非常に重要です。
ストーリーズを毎日1〜2回更新するだけでも、「このアカウント、ちゃんと運用されているな」という信頼感を醸成でき、
プロフィール訪問率の増加や、フィード・リールのリーチ増加にまで繋がるケースが多く見られます。
双方向コミュニケーションができる

ストーリーズには、アンケート、質問スタンプ、リアクションスタンプなど、ユーザーとのインタラクションを促すさまざまな機能が搭載されています。
これらの機能を活用することで、ユーザーの意見を直接聞いたり、参加を促したりすることができ、双方向のコミュニケーションが活発になります。
ユーザー参加型のコンテンツは、エンゲージメントを高めるだけでなく、顧客のニーズや興味関心を把握するための貴重な情報源にもなります。
行動導線(CTA)を作りやすい
ストーリーズには、フィードやリールにはない、特定のURLへのリンクを設置できる「リンクスタンプ」機能があります。
近年は、リールに直接リンクを貼れる「Meta認証」の導入も進んでいますが、一般的なアカウントでは、ストーリーズが唯一リンクを自由に貼れる場所です。
したがって、企業のコンバージョン導線設計においては最重要なツールだと言えます。
ユーザーの興味関心が高まっているタイミングで直接的な行動を促せるため、ウェブサイトへのトラフィック増加やコンバージョン率(CVR)の向上に大きく貢献します。
商品購入ページ、キャンペーン特設サイト、ブログ記事など、外部サイトへのスムーズな誘導が可能です。
コンテンツの“テストマーケティング”にも最適
ストーリーズは表示時間が短いため、反応率をリアルタイムに計測できます。
新しいトーンやデザインを試してもリスクが低く、ユーザーの反応を見ながら次の投稿(フィード・リール)や広告などに活かすことができます。
たとえば、
・新商品の色やパッケージ案を投票で比較
・投稿予定ビジュアルの反応を事前チェック
・広告前のメッセージテスト
など、ストーリーズ=実験の場として活用する企業も増えています。
効果的なターゲティングで広告配信できる
Instagramのストーリーズは、広告配信のプラットフォームとしても非常に優れています。
Metaの強力なターゲティング機能を活用し、年齢、性別、地域、興味関心などに基づいて、特定のユーザー層にストーリーズ広告を配信することが可能です。
これにより、潜在顧客への効率的なアプローチと、広告効果の最大化が期待できます。
【関連記事】SNS広告とは?仕組み・種類・メリット・活用方法をプロが徹底解説
ストーリーズの効果的な活用方法

「毎日更新しているのに成果が出ない」と悩む企業アカウントの多くは、効果的でない活用をしてしまっているのかもしれません。
ちょっとした投稿のタイミングやデザインなどの基本を整えるだけでも、リーチ数やタップ率は大きく変わります。
ここではストーリーズ最適化のポイントをいくつかご紹介します。
投稿頻度と時間帯を考慮する
ユーザーがストーリーズを閲覧する時間帯や曜日を分析し、最も効果的なタイミングで投稿しましょう。
また、投稿頻度も重要です。
多すぎるとユーザーに飽きられ、少なすぎると忘れられてしまうため、ターゲット層の行動パターンに合わせて最適な頻度を見つけることが大切です。
Instagramのプロアカウントで利用できる「インサイト」機能を使って、ストーリーズのリーチ数、インプレッション数、エンゲージメント率、次のストーリーズへの移動数、離脱数などを定期的に分析しましょう。
【おすすめの投稿頻度や時間帯】
基本の投稿数:平日1〜2回(午前8〜10時/夕方19〜21時)
キャンペーン期間などの投稿数:1日3〜5回、午前・昼・夜に分散
目的に応じてスタンプを使い分ける
スタンプは「ユーザーのアクション」を誘う重要なツールです。
アクションが多いと「良いコンテンツ」としてアルゴリズムで評価され、フォロワーへ優先的に表示されます。
【目的別のスタンプの活用例】
| 目的 | おすすめスタンプ | 活用例 |
| CV | リンク | 商品ページや店舗予約へ直リンク |
| コミュニケーション | アンケート/質問 | 新商品や投稿のアイデア募集・意見収集 |
| 拡散 | 絵文字 | 新商品やイベントへのリアクション調査 |
ポイントは、ストーリー1枚につき使用するスタンプを1種類までに留めること。
乱用するとユーザーはどれに反応すればいいかわからなくなり、結果的にタップ率が落ちてしまいます。
また、リンクスタンプは分かりやすいテキスト(例:「詳しくはこちら」「購入する」)を設定することで、タップ率を高めることができます。
矢印やカーソル、指マークのGIFを入れるのもおすすめです。

視認性・誘導性の高いデザインにする
ストーリーズはデザインや編集を加えるフィードやリールよりも、視覚的なコンテンツ(素材自体)が中心となるため、明るく鮮明な写真や動画を使用しましょう。
ユーザーの約80%は音声OFFで視聴していると言われています。
動画を使用する場合は音声がなくても内容が伝わるように、字幕や見出しなどのテキストを入れると親切です。
ストーリーズに文字入れをする場合は、下記のポイントを意識してください。
☑︎フォントやカラーを統一する
ブランドカラー3色以内、読みやすいフォントを使用します。
ブランドイメージにもよりますが、ゴシック体がおすすめです。
☑︎情報量は1枚1テーマに絞る
テキストは40〜60文字以内に抑え、必要なら複数枚で展開しましょう。
情報量が多いと離脱(スワイプ)されてしまいます。
☑︎文字の視認性を高める
文字サイズは小さすぎると読み飛ばされてしまうため、読みやすいサイズ感に。
また、黒い文字の下には白い帯(または白い文字には黒い帯)を引く、行間を広めに取る、適切に改行するなどの工夫が必要です。
ハイライトで“資産化”する
「リールやフィードから流入したユーザーが→プロフィールを訪れ→ストーリーズを見て→CVする」
この流れを想定し、シームレスな導線を作れるようにアカウント全体を整えておきましょう。
24時間で消えるストーリーズ単体で終わらせず、ハイライトに保存して二次活用することで資産化が可能です。
例:
・新商品 → 「NEW」ハイライトへ
・期間限定キャンペーン → 「お得情報」ハイライトへ
・質問箱の募集 → 「よくある質問」ハイライトへ
【関連記事】Instagramのハイライト仕様変更で何が変わった?旧UIとの違いやよくある質問、アップデート後の活用法まで徹底解説
まとめ|CVに最も近いストーリーズの戦略的活用

Instagramのストーリーズは、24時間で消えるという特性を逆手に取ったリアルタイム性の高い訴求や親近感の醸成、双方向のコミュニケーションなどに役立つ強力なツール。
フィードやリールよりも気軽に投稿できる点もメリットです。
フォロワー(≒見込み客)をファン(≒顧客)に育て、コンバージョンへと繋げられるように戦略的に運用していきましょう。
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