2025.11.19
Instagram運用をしているなかで、
「最近ハッシュタグをつけても意味がないって聞いた」
「ハッシュタグつけても全然伸びない」
と感じたことはありませんか?
かつては投稿を見つけてもらうための必須要素とされていたハッシュタグですが、アルゴリズムの変化や検索機能の進化により、「ハッシュタグはもう古い」「効果が薄れている」「労力をかけなくていいのでは」と感じている運用者が増えています。
本記事では、Instagramのハッシュタグが「意味ない」と言われる理由と、最新の運用アルゴリズムに合った使い方を解説します。
ハッシュタグは意味ない?Instagramの最新状況
Instagramのハッシュタグは依然として存在価値があります。
ただし、アルゴリズムの変更によって、かつてのようなリーチ拡大ツールとしての影響力が低下しているのは事実です。
ハッシュタグ経由のリーチが減少した

Instagramの最高責任者であるアダム・モッセーリ氏は、「ハッシュタグはまだ役に立つ?」という質問に対し、「役立つことはあるが、リーチを大幅に増やすものではない」「ハッシュタグを使ってアカウントを連携させたり、ブランドストーリーを効果的に伝えるために便利なツールとして活用できる」と回答しています(2025年8月/ストーリーズにて)。
つまり、ハッシュタグはリーチを伸ばすためのテクニックではなく、投稿を分類するためのツールへと変貌を遂げているということです。
実際に投稿のインサイトを見てみると、アカウントにもよりますが、閲覧率のソース(流入経路)のうち「ハッシュタグ」からの流入は全体の1%以下にとどまるケースが多いです。
AIの精度がアップした
現在のInstagramは、AIによるコンテンツの認識やテキスト解析の精度が高まり、キャプション・画像・音声・コメントなどコンテンツ内容そのものからテーマを判断する傾向が強まっています。
そのため、単に「#おしゃれ」「#カフェ巡り」「#美容」などの人気タグを並べても、内容が一致していなければ評価されず、むしろ関連性のないハッシュタグをつけることでマイナス評価がくだされてリーチが伸び悩むなど、逆効果になる場合もあります。
「おすすめ」機能が登場した
Instagramでは昨今、フォロワー外にも投稿が届く「おすすめ(レコメンド)機能」が強化されています。
ユーザーの興味関心や閲覧傾向、過去の行動(いいね、保存、視聴時間など)を分析し、AI「あなた、これが好きでしょ?」と投稿を自動で推薦する機能です。
ハッシュタグ検索からの流入に比べ、おすすめ機能による流入が爆発的に増えたため、ハッシュタグの重要性が相対的に下がっています。
ハッシュタグがリーチを広げるための主要経路だった時代は終わり、フィード(Instagramアプリを最初に開いた時に表示されるホーム画面)や発見タブ(Instagramアプリの虫眼鏡アイコンをタップすることで表示される画面)のおすすめに乗るかどうかがリーチ拡大のカギです。
この変更により、ハッシュタグ単体でリーチを狙う戦略は効果が薄くなり、投稿テーマ・エンゲージメント率・動画完了率など、アルゴリズムが評価する総合的な要素がより重要になっています。
ユーザーの検索行動が変化した

ユーザーの検索方法も変わりつつあります。
かつては「ググるからタグるへ」と言われていたほど、ハッシュタグ検索(例:大阪でカフェを探している時、検索欄に「#カフェ大阪」と入力する)が主流でしたが、現在はキーワード検索(「大阪 カフェ」とハッシュタグを付けずに検索する)が主流になっています。
つまり、ハッシュタグだけで見つけてもらえる時代は終わり、テキストや投稿テーマで検索される時代に変化しているということ。
むしろ最近は、検索自体を行うユーザーも減り、フィードや発見タブで気になる投稿を受動的に見つける「タブる」が主流です。
ハッシュタグ上位に表示されにくくなった
以前はハッシュタグ検索画面に表示される投稿を「最新順」に並べ替えられましたが、現在は廃止されており、「人気順」でしか表示されなくなっています。
結果として、すでに何十万ものフォロワーを持つ大手企業や有名インフルエンサーの投稿が「人気順」の上位に表示されるようになり、投稿数の多い「ビッグタグ」をつけてもリーチできなくなりました。
不適切なハッシュタグをつけると伸びない
現在のInstagramのアルゴリズムでは、投稿内容とハッシュタグの関連性が重視されています。
不適切なタグをつけると検索結果での表示順位を下げたり、おすすめに表示されにくくなり、結果として投稿のリーチやエンゲージメントが低下する恐れがあります。
成果につながらない「不適切なタグ」とは、以下のようなハッシュタグを指します。
・投稿内容と無関係なタグ
例:ラーメンの投稿に「#美容」
・フォロワー稼ぎのタグ
例:「#いいね返し」「#フォロバします」「#like4like」など
・ターゲットが広すぎる/漠然としすぎているタグ
例:「#instagood」「#おしゃれさんと繋がりたい」「#丁寧な暮らし」など
AIを混乱させ、ユーザーを裏切るようなハッシュタグの付け方は避けましょう。
それでもハッシュタグを付ける目的

ハッシュタグの影響力が落ちたとはいえ、「完全に意味がない」わけではありません。
実際、使い方次第では今も成果に直結するケースが存在します。
AIに投稿の内容を伝える
ハッシュタグはInstagramのAIに対して、例えば「この投稿は、大阪の北摂エリアにある、子連れOKのカフェに関する投稿ですよ」と正確に教えるための合図になります。
AIが「なるほど、この投稿はこんな内容なんだな、たしかにコンテンツも一致している」「このアカウントは北摂のママ向けカフェ情報に特化しているんだな」と正しく内容を理解しやすくなり、そのテーマに興味・関心がある人(例:北摂在住のママ・パパ)の発見タブやフィード(ホーム)に、投稿を積極的に表示してくれるようになるのです。
自社の「コミュニティ」を作ってUGCを収集する
「#BEASTAR部」のようなオリジナルのハッシュタグ(ブランド独自タグ)を作成・活用することで、リーチ目的ではなく、コンテンツの蓄積に役立ちます。
また、お客様にオリジナルハッシュタグを付けた投稿を呼びかけることで、UGC(ユーザー生成コンテンツ=口コミ)も収集しやすくなります。
例えば、
・アパレルブランドが「#着こなし〇〇」で顧客のコーデ投稿を集約
・飲食店が「#〇〇ランチ」でレビュー投稿を一覧化
・採用アカウントが「#働く〇〇」で社員投稿をまとめる
このように、自社コミュニティのハブとして機能するタグは、今でも意味を持ちます。
投稿分析・テーマ整理のための内部指標にする
ハッシュタグは「外に見せるため」だけでなく、自社の投稿テーマを整理する内部タグとしても活用できます。
例えば、「#BEASTAR商品紹介」「#BEASTARイベント情報」「#BEASTARスタッフ紹介」のようにハッシュタグを使い分けることで、過去の投稿を整理し、どのカテゴリの投稿が伸びやすいか、どのテーマが反応が良いかを分析しやすくなります。
成果を出すハッシュタグ戦略4選

では今後、企業アカウントではハッシュタグをどう活かせばいいのでしょうか。
多数のSNS運用を支援してきた経験から、実務的に効果の出るポイントをいくつか紹介します。
戦略1. ハッシュタグの「個数」は10〜15個程度に絞り込む
Instagramでは、最大30個までハッシュタグをつけられる仕様ですが、多ければ多いほど良いというものではありません。
かつては最大30個つけるのが主流でしたが、今は「量より質」です。
関連性の低いタグを大量につけると、AIが「結局、何についての投稿?」と混乱し、シグナル効果が薄れてしまいます。
ユーザーにとっても不親切です。
結果的にリーチが伸びない原因になるため、本当に関連性の高いキーワードだけに厳選しましょう。
ハッシュタグの数は10〜15個程度を目安にし、さらに精度を高めて効果を検証したい場合は3〜5個に絞ってみてください。
戦略2. 「ビッグ・ミドル・スモール」を組み合わせる
ハッシュタグを投稿件数のボリュームによって「スモールタグ」「ミドルタグ」「ビッグタグ」の3種類に分け、バランス良く組み合わせます。
・スモールタグ
投稿件数:〜3万件前後
数の目安:4〜6個
ライバルが少なく、熱量の高いユーザーが検索するため、「人気投稿」欄に載ることを最優先で狙います。
・ミドルタグ
投稿件数:3万〜10万件
数の目安:4〜6個
検索ボリュームと競合のバランスが良いボリュームゾーン。
スモールタグでついた勢いを元に、ここでさらに広い層にリーチを広げます。
・ビッグタグ
投稿件数:10万件以上
数の目安:2〜3個
単体で上位表示を狙うのは困難ですが、AIに「この投稿はこのジャンルですよ」と教えるシグナルのために設定します。
※フォロワー数が少ない初期の段階では、より投稿件数の少ないハッシュタグを使用した方が良い場合があります。
戦略3. 狙うタグの人気投稿を分析する
上位表示を狙いたいハッシュタグや検索ワードで実際に検索し、どのような投稿が並んでいるかを分析します。
写真のトーン、情報の切り口、構成、キャプションの書き方など、勝ちパターンを分析して自社のコンテンツを最適化することが上位表示への近道です。
戦略4. キャプションとタグを連動させる
Instagramはキャプション文も解析対象です。
タグとキャプションで同じキーワードを繰り返すことで、AIに「この投稿は〇〇に関する内容」と正確に伝えることが可能になります。
例)
キャプション:「大阪で人気のカフェをご紹介☕️」
タグ:「#大阪カフェ #中崎町カフェ #大阪カフェ巡り #カフェ巡り #カフェ好き」
ただし、どれだけハッシュタグ戦略を完璧にしても、肝心の投稿(写真、動画、情報)自体に価値がなければ、誰も「保存」も「フォロー」もしてくれません。
ハッシュタグはあくまで導線のひとつ。
本当に重要なのは、ターゲットが「役に立った!」「後で見返したい!」と思う質の高いコンテンツを作ることです。
まとめ|ハッシュタグを生かすも殺すも使い方次第

「Instagramのハッシュタグは意味がない」と言われる理由は、アルゴリズムの変化(発見タブの台頭)や間違った使い方(ビッグタグ頼み)が原因でした。
ハッシュタグは戦略的に使えば、今でも強力な武器になります。
闇雲につけるのではなく、未来のお客様と出会うための重要な戦略として活用していきましょう。
「自社に最適なハッシュタグの組み合わせがわからない」
「ハッシュタグ以前に、コンテンツの作り方を知りたい」
そんな時は、ぜひ一度BEASTAR株式会社へご相談ください。
貴社のアカウントを分析し、現状の課題や成果を出すための戦略、コンテンツプランをご提案します。