Instagram運用をしている企業担当者の多くが気にしている指標のひとつが、「発見タブ(Explore)に載るかどうか」 です。
投稿(フィード・リール)が発見タブに載れば、フォロワー以外の膨大なユーザーに届き、

  • リーチの急増
  • フォロワー獲得
  • ブランド認知の拡大

などにつながるため、Instagram運用において極めて重要な要素となっています。

しかし現場では、
「発見タブに載る投稿と載らない投稿の差が分からない」
「最近、発見タブからのリーチが激減した」
「おすすめと発見の違いがよく分からない」
といった悩みが多く、アルゴリズム理解が追いついていない企業も少なくありません。

本記事では、Instagramの発見タブの仕組みから発見タブに載る投稿の特徴、載らない原因、改善方法まで、企業のSNS運用に必要な情報をすべて整理して解説します。

Instagramの「発見タブ」とは

発見タブとは、Instagramアプリ下部の「虫眼鏡アイコン」から開けるページを指します。
ユーザーの興味や過去のアクションに基づいて、AI(アルゴリズム)が投稿を自動的におすすめしてくれます。

運用者にとっては新しいユーザーと出会える場所であり、企業アカウントの成長を大きく左右する機能です。
フォロワー以外へリーチし、自ら情報を検索する「顕在層」にはまだなっていないが将来的には顧客になる可能性がある「潜在層」との接点になります。

企業アカウントにとって、発見タブへの露出は「広告なしで新規にリーチを獲得できる無料の導線」 です。
フォロワーが少ない段階であっても、発見タブに載ることができれば、1投稿で10万〜100万リーチに到達するケースも珍しくありません。

発見タブに載ったかどうかを確認する方法

Instagramのインサイトでは、現時点(2025年11月末)で閲覧数の上位のソース(流入経路)を確認できます。
ここに「発見 ◯%」と表示されていれば、発見タブに掲載され、流入があったことを意味します。

関連記事:Instagramのインサイトとは?見方・活用方法・改善のポイントを徹底解説

発見タブと「おすすめ」は何が違う?

Instagramでは「発見」と「おすすめ」という似た単語が混在しており、多くの担当者がこの2つを混同しています。

まず先述のとおり、「発見」タブは、アプリ下部にある「虫眼鏡アイコン」をタップすると表示される投稿一覧のことです。

一方で「おすすめ」とは、以下の要素に基づいて、フォローしていないアカウントの投稿が自動的に紹介される仕組みを指します。

  • 過去のアクティビティ(フォロー、いいね!、保存、再投稿、コメント)
  • アカウントや類似のInstagramアカウントとの過去のつながり
  • その投稿に関する情報(人気度、他のInstagramアカウントによるその投稿とのやり取り、その投稿の日時や場所)
  • そのアカウントに関する情報(過去数週間にやりとりした回数) など

【引用】Instagramヘルプセンター

発見タブに表示されるフォロー外のアカウントの投稿も「おすすめ投稿」に該当します。
発見タブ以外にも、ホーム画面のフィードやリールタブ、ストーリーズの合間など、さまざまな場所に表示されます。

Instagramの発見タブに載るために重視すべき指標

Meta社は、Instagramの発見タブの仕組み(アルゴリズム)について明確にすべてを公開しているわけではありません。
しかし、Meta社が発表している公式情報と、BEASTARがこれまで100件以上ものInstagramアカウントを運用して得たデータを組み合わせることで、「何が評価されているのか」「どの指標に基づいて発見タブに載る投稿が選ばれるか」をかなり明確に推測することができます。

視聴時間(滞在時間)

Instagramの責任者であるアダム・モッセーリ氏が投稿したリールによると、自分らしいスタイルを大事にしたうえで、さらに以下3つの指標を重視するといいようです。

  • 視聴時間
  • いいね率
  • シェア率

まず、視聴時間(投稿への滞在時間)とは、どのくらい長くその投稿を見てもらえたか?という指標です。

特にリールでは、視聴時間が長いほど質の高い(ユーザーを楽しませる/有益な)動画であるとアルゴリズム上で評価されやすくなります。

Instagramのインサイトでは、フィード投稿での滞在時間は確認できないものの、「カルーセルの何枚目でいいね!されたか」を確認できるので、どこまで見てもらえたか≒滞在時間が長いかを推測することが可能です。

リール投稿のインサイトでは、総再生時間や平均再生時間、リテンション率(視聴を続けた再生数の割合)を確認できます。

いいね率

いいね率とは、投稿を見たユーザーのうち、どれだけの人が「この投稿いいね!」と思ってくれたか?を表す指標です。

以下の計算式で算出できます。
個人アカウントの場合はいいね率3%以上、企業アカウントの場合は2%以上を目指しましょう。

いいね率(%) = 総いいね数 ÷ 総リーチ数 × 100

シェア率

「シェア」とは、投稿をDMや他のチャットアプリ、他のSNSなどに共有する機能です(紙飛行機マーク)。
「この投稿、誰かに見せたい!」とシェアされる割合が高いと、さらに多くの人に届きやすくなります。

以下の計算式で算出できます。
個人アカウントの場合はシェア率0.5%以上、企業アカウントの場合は0.25%以上を目指しましょう。

シェア率(%) = 総シェア数 ÷ 総リーチ数 × 100

保存率

弊社が運用を続ける中で「発見タブに載りやすくなる要素のひとつである」と考えているのが、「保存率」になります。
保存は「後でじっくり見たい」という強い関心のシグナルです。

以下の計算式で算出できます。
個人アカウントの場合は保存率2%以上、企業アカウントの場合は1%以上を目指しましょう。

保存率(%) =  総保存数 ÷ 総リーチ数 × 100

冒頭視聴維持率

リールにおいては、動画開始2〜3秒程度までの「冒頭の視聴維持率」が高いほど発見タブに載りやすいと考えられています。

「視聴維持率」とは、どのくらいの割合の視聴者が視聴し続けたか?を示す指標です。
冒頭のフックが強く視聴を促せた(=スキップされなかった)場合、全体の視聴時間も伸びやすく、エンゲージメントにも繋がりやすい傾向にあります。

リールのインサイトの「リテンション」にあるグラフをタップすると、任意の地点での視聴維持率を確認できます。
個人アカウントの場合は冒頭3秒の視聴維持率60%以上、企業アカウントの場合は50%以上を目指しましょう。

発見タブに載りやすい投稿の特徴

続いて、実際に発見タブに掲載されやすい投稿の特徴を整理します。
企業アカウントで実践できるポイントを中心にまとめました。

広いテーマではなくニッチなテーマになっている

発見はユーザーの興味に最適化されるため、広すぎるテーマでは埋もれやすい傾向があります。

例:

×「大阪のカフェ紹介」
◎「大阪・北浜でWiFiのあるカフェ紹介」

×「アンチエイジング美容」
◎「30代向けのたるみケア」

最近のInstagramのアルゴリズム特性として、「絞るほど刺さる」傾向にあります。
「ニッチなテーマになるとリーチが落ちるのでは?」と思うかもしませんが、

A:リーチ1万件、プロフィールリンクのタップ数10件、購入1件
B:リーチ5,000件、プロフィールリンクのタップ数100件、購入10件

の2つを比較すると、BのほうがCV率が高いですよね。
より確度の高いユーザーに届けるためにも、投稿テーマはある程度絞りましょう。

共感される、人に伝えたくなる

ユーザーが投稿に対して「いいね」「シェア」などの何らかのアクションを行うのは、感情が動いたときです。
感情を揺さぶることができれば、アクションを促し、滞在時間を延ばすことができます。

弊社取締役カイシャイン著「3ヶ月で1万フォロワー・月10万円を叶える 革命的に稼げるインスタ運用法」より

ユーザーのアクションユーザーの感情の例
いいね!「めっちゃわかる!」「いつも見てるから頑張れ!」「投稿見たよ!」
コメント「面白かった!」「その意見には反対!」
保存「いつでも見返せるようにしたい」「あとでじっくり見よう」
シェア「面白かったから友達に教えてあげよう」「もっと伸びてほしいから拡散して応援したい」

見返したくなる構成やデザインになっている

保存されやすいのは、ひと目見ただけでは覚えきれない、スクショするだけじゃ足りないほどの「価値のある情報」が含まれる投稿です。
そのうえで、

  • チェックリスト形式になっている(例:「入居時に確認すべきこと20選」)
  • 見返したくなる構成になっている(例:5ステップで解説されている)
  • 最終ページで投稿内容全体がまとめられていてわかりやすい

など、思わず保存したくなる構成やデザインになっていることが重要です。

弊社取締役カイシャイン著「3ヶ月で1万フォロワー・月10万円を叶える 革命的に稼げるインスタ運用法」より

キャプションやコメント欄に誘導している

特にリール動画は、受動的に視聴する人が多くスキップされやすいので、滞在時間を延ばすうえでキャプションやコメント欄に誘導する手法が効果的です。

  • 動画の背景に気になるアイテムや違和感を仕込んでツッコミコメントを誘発する
  • 動画の最後で「みんなはどう思った?素直な意見をコメントで教えて!」と伝える
  • 「気になる第1位は・・・キャプションで発表します🤫」+矢印を入れる など

冒頭3秒のフックが強い(リール)

リールは最初の2〜3秒で離脱されてしまうと視聴時間・視聴完了率が伸びず、発見タブに載りにくくなります。

リールに限らず、ショート動画の冒頭には、

  • 視覚的に強い素材を使う(衝撃的なビフォーアフターなど)
  • テロップとナレーションで興味を引く(例:「◯◯ランキング、最後が衝撃すぎた」)
  • 解決方法が気になるようなトラブルシーンを持ってくる

など、次の展開が気になる仕掛けを入れましょう。

冒頭の作り方については、弊社取締役カイシャインのYouTube動画も合わせてご覧ください。

Instagramの発見タブに載らない原因

「発見タブに載せたいのに、なぜか全く伸びない…」
これは、多くの企業アカウントに共通する悩みです。

先述の「発見タブに載りやすい投稿の特徴」に加え、以下のポイントを押さえられていない投稿は、「改善の余地あり」と判断できるでしょう。

投稿内容とキャプション・ハッシュタグの関連性が薄い

InstagramのAIは、画像・動画だけでなく、キャプションやハッシュタグなども総合して投稿内容を判断しています。
キャプションやハッシュタグは発見タブに載るかどうか?の直接的な要因ではありませんが、AIに文脈を伝える補助要素として役立ちます。

  • 1投稿1テーマに絞る
  • 途中で話題が変えない
  • 関係ないハッシュタグをつけない

などの点に気をつけましょう。

最近の投稿の反応が悪い

過去の投稿が伸びていても、直近の数投稿が伸びていないと、次の投稿も伸びにくい傾向があります。

  • 伸びるテーマに寄せる
  • 低品質な投稿をアーカイブする
  • 他ユーザーとのコミュニケーション(DMなど)を活発に行う

などの対策を行い、アカウントへの評価の底上げを目指してください。

投稿のクオリティが不十分

そもそも画質の悪い写真や暗い動画、テキストが読みにくい投稿などは、AIに「低品質」と判断されてしまいます。
発見タブに載らないだけでなく、フォロワーにも表示されにくくなってしまうので、コンテンツチェックを怠らないようにしましょう。

投稿後すぐに離脱されている

スクロールやスワイプですぐ飛ばされる投稿=「興味を引けていない」という判断になります。

  • 1枚目の画像・リールの冒頭を改善する
  • 強いアイキャッチを用意
  • キャッチコピーを見直す

などの工夫が必要です。

ユーザーに興味を持ってもらいエンゲージメントを獲得するためには、情報を羅列するだけでなく、ユーザーの感情を揺さぶれるような構成を考える必要があります。

ユーザーの行動を促す有名なマーケティング手法に、LP(ランディングページ)の構成などで活用されている「PASONAの法則」というものがあります。
PASONAとは下記の頭文字を取った造語です。

弊社取締役カイシャイン著「3ヶ月で1万フォロワー・月10万円を叶える 革命的に稼げるインスタ運用法」より

頭文字キーワード意味
Pproblem(問題)ユーザーが抱えている問題や悩みを明確にする
Aagitation(煽り)/affinity(親近感)悩みの本質を掘り下げて危機感を煽る、またはユーザーに共感して親近感を抱かせる
Ssolution(解決)悩みの原因を明らかにし、解決策を提示する
Ooffer(提案)解決策を簡単に実行できるような商品やサービスの提案を行う
Nnarrow down(絞り込み)期間や数を限定し、今すぐに購入しないといけない理由を示す
Aaction(行動)悩みを解決するためには具体的な行動が必要であることを呼びかける

「PASONAの法則」をInstagramのフィード投稿に応用すると、例えば以下のような構成が考えられます。

弊社取締役カイシャイン著「3ヶ月で1万フォロワー・月10万円を叶える 革命的に稼げるインスタ運用法」より

リール投稿に応用すると、例えば以下のような構成が考えられます。

弊社取締役カイシャイン著「3ヶ月で1万フォロワー・月10万円を叶える 革命的に稼げるインスタ運用法」より

PASONAの法則の「P」にあたる「強いタイトル」は特に大切です。
投稿をスワイプする指が思わず止まり、最後まで見てしまうような強い訴求を目指しましょう。

弊社取締役カイシャイン著「3ヶ月で1万フォロワー・月10万円を叶える 革命的に稼げるインスタ運用法」より

ガイドラインに抵触している

利用規約違反やガイドライン違反は発見タブへの掲載を含むリーチに大きく影響します。
意図せず軽微なガイドライン違反をしてしまっていないか要チェックです。

  • Before/Afterの体の露出
  • 医療的な表現
  • 過度な煽り文句 など

【参照】Instagram 利用規約コミュニティガイドライン

投稿頻度が低い・バラバラ

月に数回の投稿では、InstagramのAIが「どのユーザーに見せるべきか」を学習できず、発見タブに載りにくくなります。
また、フォロワーからの興味・関心や認知も薄れていってしまうでしょう。

最低でも週2〜3投稿、決まった曜日に定期的に投稿し続けるのがおすすめです。

まとめ|新規ユーザーを連れてくる発見タブ

Instagramの発見タブは、企業アカウントにとって広告なしで新規ユーザーにリーチする最大のチャンスの場。
偶然ではなく、伸びるための設計と改善によって狙っていくものです。

本記事で紹介したポイントを押さえることで、発見タブに掲載される確率は確実に上がっていくでしょう。

「なかなか発見タブに載せることができない」
「クオリティの高い投稿を社内では作れない」
「新規ユーザーの流入が少ない」

そんなお悩みを抱えている企業のご担当者さまは、ぜひ一度BEASTARご相談ください。
BEASTARでは、企業アカウントのInstagram運用を、戦略設計から企画、コンテンツ制作、投稿代行、投稿後の分析まで一気通貫でサポート。
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