X(旧Twitter)は、2023年以降さまざまなアップデートが続き、特に有料プラン(サブスクリプション)が企業アカウントの運用でも注目されるようになりました。

「無料プランとの差がよく分からない」
「企業としてどのプランを選べばいいの?」
「認証バッジの仕組みはどう変わったの?」
「プレミアムビジネスは高いけど必要?」

こうした疑問を持つ担当者は多く、特に昨今はXの企業活用=有料プランの理解が必須、という状況になっています。

本記事では、Xの有料プランの種類や料金、企業にとってのメリット、さらに企業向けの認証プランまで、最新情報に基づいてわかりやすく解説します。

Xの有料プランは大きく2系統

2025年12月現在、Xの有料プランは大きく「X プレミアム」と「X プレミアムビジネス」の2系統に分かれており、さらに細かく5つのプランが用意されています。

個人・ブランド向け:X プレミアム

  • ベーシック
  • プレミアム
  • プレミアムプラス

企業・団体向け:X プレミアムビジネス

  • プレミアムビジネス ベーシック
  • プレミアムビジネス フルアクセス

無料プランも含めた各プランの違いはざっくり下記のとおりです。

プラン無料ベーシックプレミアムプレミアムプラス
認証バッジ××
投稿文字数280字約25,000字約25,000字約25,000字
動画アップロード2分20秒まで最大3時間・1080p・8GB最大3時間・1080p・8GB最大3時間・1080p・8GB
投稿の編集×
優先表示(リプライ等)×(標準)
広告の表示そのままそのまま半分なし
Grok(AI)利用一部(簡易)一部(簡易)
収益化(広告収益分配)××
ブックマークフォルダ×
リッチテキスト(太字・斜体)×
記事機能×××
コミュニティ作成×
サポート体制通常通常通常強化

プレミアムビジネスでは、プレミアムプラスのすべての特典が利用できることに加え、金色の認証バッジや無料の広告クレジットが付与されます(詳細は後述)。

※細かい仕様は国・時期・アップデートによって変動するため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

「ベーシック」でも豊富なメイン機能が使える

企業の勘違いで最も多いのが、「プレミアムじゃないと長文・動画が投稿できない」という思い込み。
実際には、ベーシックプランでもプレミアムプランと同じ投稿機能がすべて使えます。

ベーシック・プレミアム・プレミアムプラスの3プラン共通で使える主な機能は以下のとおりです。

  • 長文投稿(最大25,000文字)
  • 長尺動画(最大3時間、最大8GB、1080p)
  • 投稿編集機能
  • 太字・斜体などのリッチテキスト
  • ブックマークフォルダ
  • コミュニティの作成
  • 一部の優先表示アルゴリズム

小規模のブランドや企業アカウントであれば十分ですが、認証バッジ(青いチェックマーク)は付かないため、「ひと目で公式感がほしい」という場合はプレミアム以上のプランをおすすめします。

「プレミアム」以上で認証バッジや優先表示

「ベーシック」と「プレミアム」の違いは、主に以下のとおりです。

  • 認証バッジ(青いチェックマーク)が付く
  • 広告の表示数が半減する
  • 返信(リプライ)がより強力に上位表示される
  • 収益化できる(広告収益、サブスクリプション、投げ銭)
  • Grok(AIツール)の利用制限が引き上げられる
  • X Proを利用できる(複数アカウントの一括管理、予約投稿など)
  • 詳しいアナリティクスやメディア管理プラットフォームを利用できる

特に、「認証バッジ」の有無は企業アカウントでは信頼性に直結するため、プレミアム以上にする理由として最も大きいポイントでしょう。

プレミアムとプレミアムプラスの違いは、以下のとおりです。

  • 広告の表示がなくなる
  • 返信(リプライ)がさらに強力に上位表示される
  • Grokの利用制限がさらに引き上げられ、新機能をいち早く利用できる(SuperGrok)
  • 記事を作成できる

「プレミアムビジネス」なら金バッジやサポートあり

引用:X

「プレミアムビジネス ベーシック」では、プレミアムプラスの機能に加え、

  • 認証バッジが金色の認証バッジになる
  • 毎年2,500ドル分の無料広告クレジットが付与される
  • 人材募集ページを追加できる
  • 優先サポートを受けられる

などの追加特典があります。

さらに「プレミアムビジネス フルアクセス」では、上記に追加して、

  • なりすまし防止
  • 従業員のアカウントを関連アカウントに指定できる
  • 毎年12,000ドル分の無料広告クレジットが付与される
  • 優先ユーザー名を利用できる
  • さらに詳細なアナリティクスを確認できる
  • VIPサポートを受けられる

など充実した特典が用意されています。

企業・ブランドの信用をより強化して安全かつ積極的に運用したいなら「プレミアムビジネス」が適しています。

各有料プランの料金の違いは?

Xの5つの有料プランの違いは下記のとおりです。
※2025年12月時点 / 日本向け料金 / Webからの支払い時の価格

プラン名月払い年払い
ベーシック344円/月287円/月
プレミアム918円/月765円/月
プレミアムプラス6,080円/月5,003円/月
プレミアムビジネス ベーシック30,000円/月25,200円/月
プレミアムビジネス フルアクセス135,000円/月113,400円/月

なお、Xの有料プランは、Webブラウザからの購入が最も安いです。
アプリ(iOS/Android)経由で購入する場合、手数料分(30%前後)が上乗せされます。

Xの有料プランを導入する企業が増えている理由

近年、企業によるX有料プランの導入は確実に増えています。
ではなぜ、企業が有料プランへ移行するのでしょうか?

認証バッジによってひと目でわかる信頼性

Xは情報の拡散速度が速く、誤情報やなりすましアカウントも多く存在します。
そんななかで、青バッジ(プレミアム)や金バッジ(プレミアムビジネス)は、企業アカウントに安心感を与えます。
「これは公式の発信だ」とわかるので情報を信頼でき、顧客が安心して問い合わせすることが可能です。

特に金融、医療、不動産、人材系などの信頼性が重視されるジャンルは、バッジの有無がコンバージョンに影響する場合さえあります。

投稿編集・長文・高画質動画による情報強化

SNS運用では、誤字や説明不足がきっかけで炎上につながるケースも。
万が一誤って投稿してしまった場合、投稿後に編集できないと、企業リスクにつながることがあります。

有料プランなら投稿後に編集できるため、誤情報の訂正も柔軟にできます。
無料プランの場合は一度投稿したポストは編集ができず、削除対応になるでしょう。

加えて、

  • 長文25,000字
  • 3時間までの動画(1080p)

というボリュームは、採用・サービス説明・IR情報などの企業発信とも非常に相性がよいです。

プレミアムビジネスのブランド保護が強力

プレミアムビジネスでは、金バッジに加えて、

  • 優先ユーザー名の利用
  • 関連アカウント管理
  • なりすまし対策の強化
  • 無料広告クレジット

などの特典が付与される点が強みです。
ブランド・サービス名の価値を守りたい・強化したい企業には欠かせないプランになっています。

AIツールや分析機能が運用効率を大幅に高める

SNS運用では、企画・投稿・分析・レポートと日々たくさんのタスクが発生します。

Grok を活用すれば、

  • 投稿案の生成
  • 市場調査
  • X内のトレンド把握
  • 文章の作成
  • 画像や動画の生成

など、運用業務を大幅に短縮できます。
特にプレミアムプラスやプレミアムビジネスは、AI機能の優遇が大きいのも特徴です。

ケース別|企業アカウントに適しているX有料プラン

企業がプラン選択で迷う最大の理由は、「どこまでの機能を必要としているか」が分かりにくいからです。
そこで、よくある企業アカウントのケース別に最適プランを整理します。

【ケース1】まずは投稿機能を強化したい

👉 おすすめ:ベーシック

最安ながら、充実した投稿機能がすべて使えます。

  • 長文
  • 長尺動画
  • 投稿編集

が可能なので、まずは運用をしっかり整えたい企業に最適です。

【ケース2】公式としての信頼性がほしい

👉 おすすめ:プレミアム

  • 採用アカウント
  • ブランドアカウント
  • 店舗アカウント

など、信頼がほしい中小企業に向いています。

【ケース3】広告運用・AI・優先表示で攻めたい

👉 おすすめ:プレミアムプラス

  • PRに力を入れたい
  • リプライの優先表示を強くしたい
  • 競合の多い業種
  • 市場調査をXで行う企業

にとってベストの選択肢です。

【ケース4】X内での認知をさらに高めたい

👉 おすすめ:プレミアムビジネス ベーシック

  • X経由で優秀な人材を見つけたい
  • 金色のマークで目立たせたい
  • Xに広告を出したい

という企業にとっては導入メリットが高いです。

【ケース5】多ブランド・多店舗・グループ会社を束ねたい

👉 おすすめ:プレミアムビジネス フルアクセス

  • 店舗やスタッフのアカウントが多数ある
  • なりすましリスクを避けたい
  • Xを会社全体の広報基盤にしたい

という企業に向いています。
年間12,000ドル(約188万円/1ドル約156円の場合)の広告クレジットも大きな利点となるでしょう。

Xの有料プランを導入すべきでないケース

Xには「プレミアム」「プレミアムビジネス」など複数の有料プランがありますが、すべての企業が無理に導入する必要はありません。
大切なのは「どの段階の企業が、有料プランの恩恵を最大化できるか」を見極めることです。

以下に当てはまる企業は、無料プランでは機能不足になりやすく、有料プラン導入で成果が大きく変わります。

  • ブランドの信頼性が成果に直結する企業
    (例:金融・不動産・医療機関・美容クリニック・士業・大手ブランド)
  • Xを集客や問い合わせ導線として使いたい企業
  • 動画・長文・IR情報など情報量の多い発信をしたい企業
  • スタッフ・店舗・複数ブランドを運用している企業

反対に、以下の状態の企業は、まず運用を整えてから有料化する方が効果的です。

運用が安定していない企業

Xの有料プランは、あくまで運用を強化するための加速装置だと思ってください。
企画・世界観・分析体制などが固まっておらず、伸びる要素が揃っていない状態では、十分に機能しません。

  • 誰に届けたい?
  • 何を伝えるアカウント?
  • どんな価値を提供する?

の運用設計を整えることが先です。

また、投稿頻度が低い(月に1〜2回程度)場合、有料プランの恩恵(優先表示・公式性・動画運用など)を活かせません。
まずは週2〜3投稿を安定して行うところから始めましょう。

プロフィールが未整備の企業

有料プランの効果はプロフィール文章やリンク、固定ポストなどの導線が整っていて初めて最大化されます。
新規ユーザーにリーチできても、青バッジ・金バッジをつけていても、「売上につながらない」という状態だと有料化の投資効果が薄れます。

導線設計が整っているかを最初に確認しましょう。

関連記事:X企業アカウントの作り方は?ビジネス成果につながる初期設計を徹底解説
関連記事:Xの企業アカウントの固定ポスト完全ガイド|フォロー率・CV率が劇的に変わる投稿の作り方

分析・改善しない企業

プレミアム以上の有料プランでは、アカウントデータを分析できる「アナリティクス」、1つの画面で複数のタイムラインをチェックできる「X Pro」、メディアを管理・測定できる「Media Studio」といった各種ツールを利用できます。

  • どの投稿がブックマークされた?
  • どの導線から流入した?
  • どのクリエイティブが伸びた?

これらを見て改善しないと、ただ投稿しているだけになってしまい、PDCAを回せません。

そもそもXと相性が弱い業界

XよりもInstagramやTikTokのほうが強い業界も存在します。

例:

  • 美容室
  • ネイルサロン
  • 雑貨EC
  • 飲食店(SNS比率がInstagram寄り)

商材と媒体の相性が悪いと、伸び悩む原因になります。
これらの企業がいきなり有料化すると、費用対効果が合わないケースがあるでしょう。

Xの有料プランに関するよくある質問

Q1. 有料プランにするとアルゴリズムで優遇されますか?

A. 優遇される傾向はあります。
特にプレミアム以上のプランは、返信(リプライ)で優先表示されやすい仕様が明言されています。

Q2. 有料プランは途中解約できますか?

A. 可能です。
ただし、残り期間の返金は原則ありません。

Q3. プレミアムとプレミアムビジネスの違いは?

A. もっとも大きい違いは、認証バッジとブランド保護です。

青バッジは個人も取得可能ですが、金バッジは組織名・Webサイト・勤務先メールアドレス等の申し込みが必要なので、企業公式として圧倒的な信頼性があります。

Q4. ビジネスプランの広告クレジットは何に使えますか?

A. 通常の X広告(プロモ広告など)に利用できます。
広告運用を行う企業には大きなメリットです。

関連記事:SNS広告の種類を徹底解説|企業が成果を出すための選び方と最新トレンド

Q5. GrokのAI学習に自社投稿を使われたくありません。

A. オフにできます。
「設定とプライバシー → プライバシーと安全 → Grokとサードパーティコラボレーター」で各項目をオフにしてください。

まとめ

Xの有料プランは、単なる機能追加ではなく、企業アカウントにとって信頼性や情報発信力、そして運用効率を大きく底上げする仕組みへと進化しています。

ただし、有料プランさえ導入すれば運用が伸びるわけではありません。
基盤が整っている企業ほど、Xの有料機能を投資として回収できる形で活かすことができます。
逆に、この土台がないまま導入しても、十分なリターンを得るのは難しいでしょう。

Xは今後もアップデートが続き、有料プランを活用する企業は確実に増えていきます。
だからこそ、「自社はどのプランが最適なのか」「どの段階で切り替えるべきか」「どのような運用設計と組み合わせるべきか」を見極めることが重要になります。

BEASTARでは、Xアカウントの戦略設計から有料プラン選定、プロフィール設計、投稿企画、クリエイティブ制作、分析改善まで、企業のSNS運用を一気通貫で支援しています。
Xを本格的なマーケティングチャネルとして育てたい企業、運用体制に不安がある企業、有料プランの導入判断に迷っている企業のご担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。

👉 BEASTAR株式会社に無料相談する