Instagramの「ハイライト」は、通常24時間で消えてしまうストーリーズをプロフィール画面上に常設できる便利な機能として、多くのアカウントで活用されてきました。
企業アカウントにおいては、商品・サービス情報をまとめたり、ユーザーからの質問に答えたりと、ファン化やコンバージョンに繋げるツールとしても役立っていました。

しかし、2025年9月11日頃から日本でも順次適用されている大幅な仕様変更により、従来の表示形式が大きく変わっています。
今回のアップデートは、企業やブランドのプロフィール設計・導線にどのような影響を与えるのでしょうか?

本記事では、ハイライトがどのように変わったのかを端的に整理したうえで、企業アカウントが取るべき具体的な対策やよくある疑問について解説します。

Instagramのハイライトは何が変わった?

従来のハイライトは、プロフィール画面の上部(自己紹介文やリンクの下)に丸いアイコンが横一列に並んで表示されていました。

しかし、2025年9月11日頃から突如として大きな変更が加えられ、プロフィールグリッド(通常の投稿が表示される部分)の上部に新しいタブとして統合されました。
ユーザーは、通常のフィードタブやリールタブなどと並んで表示される「ハイライトタブ」をタップすることで、すべてのハイライトコンテンツを一覧で閲覧できます。

以下は、2025年10月時点で複数ユーザー・報道で確認されているハイライトの変更点です。
※最新の情報については公式サイトをご確認ください。

表示場所

旧:プロフィール画面の自己紹介文・リンクの下
新:専用タブ(ハートのアイコン)、メイングリ度

アップデート直後はSNS上で「ハイライトが消えた!?」と混乱の声が上がっていましたが、これは表示場所が変わったことによるものです。
専用のハイライトタブだけでなく、メイングリッド(プロフィール画面を開いたときに最初に表示される投稿一覧のタブ)への表示or非表示も選べます。

メイングリッドに表示されているハイライトを長押しし、「メイングリッドから削除」をタップすると非表示(ハイライトタブのみの表示)になり、
逆にハイライトタブのみに表示されているハイライトを長押しし、「メイングリッドに追加」をタップすると表示されます。

また、メイングリッドに表示させた場合は、通常の投稿と同様にハイライト自体を「ピン留め(最上部に固定表示)」することも可能です。

カバー画像

旧:1:1の円形でトリミングされる
新:4:5の長方形

ハイライトの表示が丸からグリッド形式に変わり、通常の投稿のカバー画像(プレビュー)と同じサイズ比率(4:5)での表示になりました。
従来よりも大きく表示されるようになったため、ハイライトを視覚的に訴求することが可能です。

旧ハイライトでカバーに設定していた画像のままだと、意図しない表示になってしまう可能性があるので、新たに4:5のサイズで制作し直すことをおすすめします。
ユーザーに注目されやすく、クリック率アップに貢献できるような、統一感のある画像を用意しましょう。

ハイライト名の文字数

旧:全角6文字/半角11文字まで表示される
新:全角9文字/半角15文字まで表示される

Instagramのハイライト名は最大15文字まで入力できます。

旧ハイライトでは、プロフィール画面上に表示される文字数は全角で6文字/半角で11文字までしか表示されません。
一方で新しいグリッド形式のハイライトでは、全角で9文字/半角で15文字まで表示されるようになりました。

表示順

旧:更新した順
新:作成した順

旧ハイライトでは新たに作成したハイライトや、新しいストーリーズを追加したハイライトなど「更新日時が新しい順」で左→右に並ぶ仕組みになっていました。

一方で新しいグリッド形式のハイライトでは、「ハイライト自体を作成した順」で左上→右下へと並ぶ仕組みになっています。

ハイライトタブ上では「ハイライトを作り直す」以外に並べ替える方法はありませんが、メイングリッドに表示している場合は、通常の投稿と同じく任意の順番に簡単に並び替えが可能です。

①メイングリッドで並べたいハイライトを長押し
②「グリッドを並べ替え」をタップ
③ドラッグ&ドロップで並ぶ変え

新しいハイライトに関するQ&A

Q. 元の「丸いアイコン」に戻す方法はありますか?

A. 現時点では、ハイライトを旧デザインに戻す正式な方法はありません。

Meta社はプロフィール画面を整理することを目的に、ハイライトを専用タブへ移行しています。
そのため、ユーザー側に切り替えオプションは提供されていません。

一部ユーザーの間では、「ハイライトを一旦アーカイブしてから再びプロフィールに表示させると丸に戻った」という報告もありますが、これはUIの一時的なバグ表示やロールアウト(新機能や変更点を一部のユーザーに段階的に公開していくプロセス)の差によるものです。

Q. 元のハイライト(丸アイコン仕様)に戻る可能性はありますか?

A. 可能性は低いです。

Instagram責任者のアダム・モッセリ氏は、2024年の時点で「プロフィール画面をよりシンプルに改善していく」と明言していました。

過去のアップデートでは、一部のユーザーに適用後、数ヶ月後に従来の仕様に戻ったケースもありますが、ハイライトの変更は計画性のある仕様変更であるため恒久的な方向性と考えられます。

ただし、ユーザーの批判が多ければ、表示を切り替えられる機能が追加される可能性もあるかもしれません。

Q. 一部のアカウントではまだ「丸のアイコン」のままなのはなぜ?

A. ABテスト(段階的リリース)による仕様差です。

Instagramでは大規模なUI変更を一斉適用せず、国やOS、利用頻度などの条件によって少しずつ反映させるケースが多いです。

たとえば同じ日本国内でも、

・iOSは変更済み/Androidでは未適用
・ビジネスアカウントは変更済み/個人アカウントは未反映

といった差が一時的に発生します。

数週間〜数ヶ月のうちに全ユーザーへ反映されるケースが多く、時間差による仕様差であることがほとんど。
現在は旧デザインのままでも、いずれ切り替わる可能性が高いため、早めに新仕様を前提にカバー・導線を再設計しておくと安心です。

Q. ハイライトがグリッド(投稿一覧)に混ざって表示されます。消せますか?

A. メイングリッドから非表示にできます。

新仕様では、「ハイライトをメイングリッドに表示/非表示」を切り替えられます。
メイングリッドでフィードやリールと混ざってしまい見づらくなっている場合は、グリッドの並び替えか、メイングリッドからの非表示化を行いましょう。
(操作方法については、先述の「Instagramのハイライトは何が変わった?」へ)

新しいハイライトの注意点・デメリット

今回のInstagramハイライトの仕様変更は、企業アカウントの運用にさまざまな影響を与えます。
メリットとデメリットの両面を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

アクセス数が減る

従来のハイライトはプロフィール画面を開いた瞬間に目に入っていましたが、
新ハイライトはメイングリッドで上部に表示しない限り、一旦ハイライトタブに移動しないと見られない仕様になっています。

つまり、ユーザーはハイライトを見るために意図的にタブをタップする必要があるため、
これまでのように「ついでに見る」という行動が減り、ハイライトへのアクセス数が減少する可能性があります。
さらに、ハイライト→ストーリーズ→リンクスタンプタップの流れが変わるため、CV数にも影響を及ぼすでしょう。

フィードやリール、ストーリーズなどの投稿からの導線を再設計する必要があります。

世界観が崩れる

従来のハイライトでは、カバー画像を統一することで、ブランドのイメージを視覚的に表現し、プロフィール全体での「世界観」を作り上げることができました。

しかし今回のアップデートで“丸いアイコン”が消えてしまったため、ハイライトのカバー画像を工夫してブランドの世界観を表現していた企業は、新しい縦長のサムネイル形式に合わせてデザインを調整する必要があります。

また、ハイライトタブ内の並び順も戦略的に設計し、ユーザーが求める情報にスムーズにアクセスできるように整えることが重要です。

運用の負担が増える

アップデートに伴い、メイングリッドへの表示ON/OFFやグリッドの並び替え、ハイライトタブ内での順番の変更など、細かな“見せ方調整”が必要です。
また、プロフィールや通常投稿に「詳しくは◯◯のハイライトをチェック↑」のようなハイライトへの誘導文・誘導デザインを入れていた場合は、合わせて変更作業が発生します。

企業アカウントが取るべき“新ハイライト”活用戦略

今回のハイライトのアップデートに対し、SNS上では「前の方がいい」「普通の投稿と混ざって分かりにくい」などネガティブな意見が目立ちます。
しかし、企業アカウントにとっては新たな戦略を練るチャンスでもあります。

以下の対策・活用戦略を参考に、Instagram運用を最適化しましょう。

ハイライトの最適化

・魅力的なカバー画像の設定
縦長のサムネイル形式になったことで、より視覚的に訴求できるカバー画像を設定しましょう。
ブランドカラーやロゴ、コンテンツ内容を端的に示すデザインを心がけ、ユーザーが思わずタップしたくなるような工夫が必要です。

・分かりやすいハイライト名の設定
各ハイライトの名前は、内容を正確に伝え、ユーザーが探している情報を見つけやすいように具体的に記述しましょう。
表示される文字数が増えたので、例えば、「商品紹介」ではなく「新商品Aの魅力」のように具体性を高めることも可能です。

・戦略的な並び替え
最も見てほしいハイライトを左上に表示するなど、ユーザーの導線を意識した配置を心がけましょう。

プロフィールや投稿との連携強化

・プロフィール文での誘導
自己紹介文に「ハイライトでお得情報をチェック!」など、ハイライトタブへの誘導を明記しましょう。
ユーザーがプロフィールを訪れた際に、ハイライトの存在に気づきやすくすることが重要です。

・フィード投稿やリール動画との連携
フィード投稿やリール動画のクリエイティブやキャプションで、関連するハイライトへの誘導を促すことも有効です。
例えば、新商品の紹介動画をリールで投稿し、「詳細情報や購入方法はハイライトにまとめました!」などと案内すると遷移率がアップします。

・ストーリーズからの誘導
ストーリーズ投稿でも、「その他のキャンペーンはハイライト◯◯をチェック!」のように、関連するハイライトへの誘導を積極的に行いましょう。

・メイングリッドへのピン留め
特に見てほしいハイライトは、「メイングリッドに表示+ピン留め」を行うことで、プロフィールを訪れたユーザーの目に必ず触れるようにできます。
例えば、キャンペーン情報や人気商品の紹介など、最もアピールしたいコンテンツをピン留めし、ハイライトに格納するストーリーズにもリンクスタンプを貼っておくと、導線づくりに役立ちます。

ハイライトコンテンツの質の向上

・FAQコンテンツの充実
ユーザーからよくある質問をハイライトにまとめ、顧客サポートの効率化を図りましょう。

・商品・サービス紹介の強化
各商品やサービスごとにハイライトを作成し、詳細な情報や利用シーン、お客様の声などを分かりやすくまとめましょう。

・ブランドストーリーの発信
企業の理念、創業ストーリー、社員紹介など、ブランドの裏側を伝えるコンテンツをハイライトで発信することで、ユーザーとのエンゲージメントを深め、ブランドへの共感を促します。

・キャンペーン・イベント情報の発信
ユーザー側にメリットのある情報をハイライトにまとめることで、積極的にハイライトタブを見てもらえるようになります。

まとめ|ハイライトの仕様変更をチャンスに変える

今回のInstagramハイライト仕様変更は、多くのユーザーや企業に混乱をもたらしました。
旧ハイライトのままの運用をそのまま続けていては、視認性や導線の面で不利になるリスクがあります。

しかし一方で、新しい表示形式を踏まえてハイライト設計を見直す良い機会でもあります。
変更点を正しく理解し、プロフィール設計やコンテンツ戦略を見直すことで、これまで以上に効果的なInstagram運用を実現できるでしょう。

Instagramでは今後も様々なアップデートが実施されると考えられます。
ハイライトを含む仕様変更に戸惑ったときは、ぜひBEASTARへお気軽にご相談ください。
常に最新のSNSトレンドに対応し、貴社の目標達成をサポートいたします。

👉 BEASTAR株式会社に無料相談する