2022.08.17
消費者のSNSでの情報収集が主流となった現代では、各企業においてSNSマーケティングが必須となっています。なかでも、近年急速に注目が集まっているSNSといえばTikTok。グルメやファッション、美容などのBtoC企業はもちろんBtoB企業まで、幅広いジャンルで活用されています。
本記事ではTikTokでアカウントを運用し、認知拡大や販売促進、採用などのビジネス活用に成功した企業・個人を紹介します。
【関連記事】
・TikTok企業アカウントの運用方法とは?アカウントの作り方や運用のポイントを解説
・【企業向け】TikTokを活用するメリット・デメリットを分かりやすく解説
飲食店・食品メーカー・レシピ
グルメ系ジャンルはTikTokを含むSNSで伸びやすいジャンルのひとつ。例えば「#TikTokグルメ」のハッシュタグがついている動画は合計66億回以上再生されています。
また、TikTokには動画投稿時に食べログのリンク設定ができる機能もあり、飲食店が店舗の詳細情報に誘導しやすいというメリットも。飲食店や食品メーカー、レシピメディアなどはTikTokを活用している企業が多いですよ。
ドミノピザ
宅配ピザチェーン店のドミノピザの公式アカウントでは、主にピザを作る過程をショートムービーで発信しています。普通のピザだけでなく猫型ピザを作ったり、「◯◯なピザを食べたい」というユーザーのリクエストに応えたりと、ユーザーに飽きられない工夫は見習いたいポイントです。
他にも裏方のスタッフがダンスを披露する動画や、消費者目線でピザを食べる動画など、クリエイター目線での動画制作が行われています。全体的に親しみやすく楽しい雰囲気が伝わってくるコンテンツが多い印象です。楽曲やハッシュタグなどTikTokのトレンドを上手く取り入れている点も◎
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@dominos_jp
ほっともっと
お持ち帰り弁当のチェーン店・ほっともっとの公式アカウントでは、お弁当の盛り付け動画や調理動画をユニークに作成しています。ポイントはTikTokでトレンドの楽曲を使い、曲のリズムに合わせて動画を編集している点。字幕やエフェクトなども入れながら、一般ユーザーの投稿に馴染むコンテンツが魅力です。
また、ネタ動画やお弁当に関係のないあるある動画など多彩な企画を織り交ぜることで、ユーザーの関心を集めています。フォロワーは14万人以上で、なかには100万回以上再生されている動画も。ほぼ毎日投稿しており、投稿頻度の高さや内容の豊富さも成功の要因だと言えるでしょう。
プロフィールでは公式ホームページのURLのほか、アプリのダウンロードリンクも表示されており、サービスの利用につなげています。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@hottomotto_com
サブウェイ
サンドイッチのファーストフードチェーン店・サブウェイの公式アカウントでは、ユーザーからの質問に返答する形式でサンドイッチ作りの動画を投稿しています。質問内容は、例えば「お酒に合うメニューを知りたいです」「ダイエットにおすすめのメニューを作ってください」など。
文章で注文方法も丁寧に説明されている点もポイントです。来店・注文を促すと同時に、ユーザーとコミュニケーションをとることでファンの育成にもつながっています。コメントを元に動画の企画を立てているので、ネタ切れの心配も少ないでしょう。
他にも新商品の紹介やサブウェイの注文の流れ、TikTokの撮影の裏側、モデルを採用した企画などの動画もアップされています。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@subwayjapan
クラシル
レシピ動画の配信アプリを提供するクラシルの公式アカウントは約25万人のフォロワーを抱える人気っぷり。メイン料理やおかず、スイーツなどさまざまなジャンルの調理動画が投稿されています。TikTokには材料が少なく簡単な工程でできるレシピが多くアップされており、比較的若いユーザーをターゲットにしているようです。
動画で使用されている文字や構成は統一されておらず、あえて試行錯誤している印象。しかしどの動画もクオリティが高く、「この動画を見れば調理ができる」というユーザーに役立つ動画になっています。
動画の最後にアプリやYouTubeに誘導するCTAが入っていたり、プロフィールに「クラシルアプリはこちらから」とURLを入れていたりと、アプリ会員や他媒体のフォロワーの増加を目的に運用していることが分かりますね。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@kurashiru.com
アパレル・ファッション
アパレル系企業は、TikTokの動画を通じて服を着たイメージやブランドの世界観を視覚的に伝えることができます。TikTokと相性のいいジャンルだと言えるでしょう。
fifth
ファッション通販サイトfifthの公式アカウントでは、ただ商品やコーディネートを紹介しているだけではありません。「リボンのキレイな結び方」「透けが気になる夏服の対策法」などお悩みに沿った企画や、「アイテム◯選」などのまとめ系企画など、見る人の興味を引く工夫が詰まっています。
1weekコーデや系統別コーデ、身長別コーデなどファッションジャンルで定番の企画に加え、スタッフさんがTikTokのトレンドのダンスに挑戦する動画などもあり、ずっとフォローしていても飽きません。
まだfifthの通販を利用したことがないユーザーにも、すでにアイテムを購入しているユーザーにもアプローチできるアカウントで、売上やリピート率の向上につながっているでしょう。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@fifth_store
prize
アクセサリー作家prizeさんのアカウントでは、アクセサリーの製作過程の動画が投稿されています。「商品がどうやって完成するのか」という普通は見れない裏側の様子をのせたことで、ユーザーの人気を集めたアカウント。動画や文章から伝わる真面目な人柄も魅力です。
prizeさんはTikTokをきっかけに全国の幅広い年齢層のお客様から注文が入るようになったのだとか。現在は、実際にオーダーのあったアクセサリーの製作過程を撮影し、「商品が手元に届くまでのワクワク感」を伝えている動画を多く投稿しています。
その結果、リピーター率も向上しているそうです。アクセサリーのプレゼント企画も時々開催しており、新規ユーザーへのアプローチも行われています。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@prize_ral
美容・コスメ
美容分野は、TikTokを積極的に利用しているユーザー層とターゲットがマッチしているジャンルの代表例。メイクや美容施術などの変化が目に見える商品・サービスは、ビフォーアフター動画などで分かりやすく訴求できます。企業だけでなく、美容師さんなどが個人で運用して人気になったアカウントも多いですよ。
ロート製薬
ロート製薬の公式アカウントでは、コスメやスキンケアアイテムを中心に自社製品を面白く紹介している動画が多いです。「◯◯の正しい使い方」「◯◯比較」など公式だからこそ作れる動画から、VLOG風など消費者目線に立った動画まで幅広い企画が立てられています。
企業が持っている情報とユーザーが見たいと思う情報を上手くMIXしている良い例ですね。ユーザーからの質問に答える動画を投稿していたり、投稿した動画に届いた質問コメントに丁寧に返信していたりと、誠実なコミュニケーションも魅力。
また、トレンドの楽曲を使った動画やハッシュタグを活用するなど、TikTokの使い方が上手なアカウントだと言えるでしょう。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@rohtotiktok
キレイモ
全国に店舗を展開している脱毛サロン・キレイモの公式アカウントで投稿されているのは、「ムダ毛処理の方法」など自社サービスに関係する動画だけではありません。
話題のコスメやスキンケアアイテムのレビュー動画や肌のケア方法など、美容のお役立ち情報を発信するメディアとして活用しています。なかには「盛れるカメラアプリBEST5」「韓国っぽケーキオーダーしてみた」など美容とは関係のない動画も。
自社サービスのターゲットに刺さる情報を、ジャンルにこだわらず発信しているようです。このように自社の商品・サービスの発信が難しい場合は、メディア型のTikTokアカウントを運用する方法も考えましょう。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@kireimo_official
不動産・インテリア
TikTokで最近よく目にするジャンルが、不動産物件やインテリア。TikTokのユーザー層が10代・20代だけでなく30代以上にも拡大してきたため、積極的に活用している企業が増えています。
スタイリー株式会社
オンライン不動産仲介サービスのスタイリー不動産は、TikTokでの集客実績がメディアで取り上げられたこともあるアカウントです。賃料・間取り・最寄駅といった物件情報+イチオシポイントを紹介したあと、ルームツアーをして物件を紹介する動画を投稿しています。
どの動画も楽曲+ナレーション付きでテンポが良く、かつ実際に内見しているかのような分かりやすさが◎不動産会社の堅いイメージを払拭し、サービス利用までのハードルを下げています。キャプションで賃料や敷金・礼金や築年数などの詳細も明記されており、問い合わせしやすい点も魅力です。
コメント欄が閉じられていることから、TikTok上でユーザーとコミュニケーションをとるのではなく、プロフィールに表示されているLINE公式アカウントへの問い合わせにつなげる目的があると分かりますね。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@stylee.estate
専門家・教育系
TikTokにもYouTubeでよく見られるようなハウツー動画・解説動画などの教育系コンテンツが多く投稿されるようになりました。短い時間で専門的な濃い情報を発信しているアカウントが伸びている印象。士業や講師、コーチやコンサルタントといった個人アカウントが多いジャンルです。
岡野タケシさん(弁護士)
岡野タケシさんはアトム法律事務所の代表を務める弁護士。YouTubeのチャンネル登録者数が115万人、TikTokのフォロワーが58万人と非常に多く、SNSの使い方が参考になるアカウントです。
TikTokではユーザーからの質問や話題のニュースに対して法律上での考え方を弁護士視点で発信。難しい内容でありながら、分かりやすい解説と字幕・効果音付きの動画でTikTokのユーザーにもウケています。世間で注目度が高まっているテーマを素早く取り入れているところは真似したいポイントです。
コスプレをしたり、あるあるネタを投稿したり、プライベートを見せたりと、弁護士の堅いイメージを払拭するユニークな動画も投稿しています。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@takeshibengo
もえぴさん(英会話講師)
オンライン英語コミュニティを運営する英会話講師・もえぴさんは、TikTokを開設してからわずか1ヶ月で7万人以上のフォロワーを獲得しました。TikTokで集めたユーザーを事業であるオンラインコミュニティに誘導しています。
教育系コンテンツでは発信者がレクチャーするような形式の動画が多いなか、もえぴさんはあるあるネタやものまねなど親近感が湧く動画を投稿。表情や背景などのバリエーションが豊かで、どの動画もユニークです。
英会話に関心のあるユーザーだけでなく、動画の面白さから幅広いユーザーにアプローチできています。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@moepi_english
【おまけ】“おじさん”で人気の企業
最近のTikTokでは中高年の男性社員、いわゆる“おじさん”が登場する企業アカウントがバズっています。これまで紹介したようなTikTokと相性のいいジャンルでなくても、企業のブランディングや採用につなげられた例を紹介します。
大京警備保障株式会社
首都圏を中心に警備業を行う大京警備保障株式会社の公式アカウントの動画には、社長・部長・課長などのおじさん社員が出演。中年男性がTikTokで流行っているダンスを踊ってみたり、若者に人気のスイーツを食べたり、プリクラを撮ったりとギャップがユーザーにウケています。
最初は単に「フォロワーを増やしたい」という想いでアカウントを立ち上げたそうですが、結果的にフォロワーが200万人を突破し、採用への応募が増加。
知名度がアップし、採用活動も効率化するなど、企業アカウントとして成功を収めました。最近では字幕やキャプション、プロフィールを英語で表記するなど、外国人ユーザーにもアプローチしているようです。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@dkykeibi_tokyo
三陽工業株式会社
製造業や派遣業を営む三陽工業株式会社の公式アカウントの動画にも、中高年社員が出演。和気あいあいとした楽しそうな社内の様子が伝わる動画を投稿しています。TikTok2021上半期トレンドのクリエイター部門にノミネートされるなど、話題になりました。
ダンス動画やチャレンジ動画に一生懸命取り組む“おじさん”の様子にファンになる人が徐々に増えていき、現在では5.8万人のフォロワーを抱える人気アカウントに成長。TikTokをきっかけに新卒採用の応募が増加し、採用にかかる費用の大幅削減に成功したそうです。
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@sanyoukougyou
まとめ
本記事で紹介したアカウント以外にも成功事例はたくさんあります。自社と似たジャンルで成功した企業アカウントからノウハウを学び、TikTokの運用に役立てましょう。
「TikTokのアカウント運用をプロにお願いしたい」
「社内にTikTokを運用できる者がいない」
とお悩みの企業ご担当者様は、まずはBEASTARまでお気軽にお問い合わせください。