ikTokは10代〜20代の若年層を中心に、今では幅広い世代に利用されている動画プラットフォームです。TwitterやInstagramと同じように、TikTokでも通常のアカウント運用だけでなく広告を出稿することができます。

TikTok広告(TikTok Ads)では、目的やターゲットに合わせた最適な広告配信が可能。しかし、配信できる広告フォーマットにはいくつかの種類があり特徴や費用も異なるため、「広告を出したいけどよく分からない」と悩んでいる企業担当者様も多いのではないでしょうか。

そこで本記事ではTikTok広告の種類やそれぞれの費用、配信のコツなどを紹介します。

TikTok広告の主な種類

TikTokで広告を配信することで、フォロワー以外の多数のユーザーへアプローチできるようになります。広告の種類にもよりますが、性別や年齢、居住地域、通信環境や興味関心などユーザーの属性を絞った精度の高いターゲティングも可能です。

グローバル広告エクイティランキングによると、各デジタルプラットフォームにおける広告の中でも、TikTok広告は消費者からの好感度が最も高いことが分かっています。
参考:KANTAR JAPAN

TikTok広告はユーザーにとって必要なければワンアクションでスキップできるため、不快感を感じさせにくいのかもしれませんね。以下で紹介するTikTok広告の種類から自社の目的や商品・サービスに合ったものを選び、マーケティングに役立てていきましょう。

起動画面広告・TopView

起動画面広告およびTopViewとは、アプリの起動時に全画面表示される広告です。起動画面広告では3秒の静止画または3〜4.9秒のGIFアニメーション(無音)・GIF画像、TopViewでは最長60秒の動画を配信できます。

ユーザーがアプリを起動するたびにフルスクリーンで表示されるため、TikTokの全利用者に大きなインパクトを与えられるでしょう。企業の知名度や商品やサービスの認知度を一気に上げたいときに効果的です。広告上にはアプリ内だけでなく自社サイトやアプリといった外部サイトへの導線を置くこともできます。

ただし、どちらも1日2社限定の広告枠となっており、訴求力が高いぶん広告枠の確保が難しい点がデメリット。
広告配信費用は1日あたり600万円〜750万円ほどとコストもかかります。

インフィード広告

インフィード広告とは、通常の投稿と投稿の間に5秒〜60秒の動画を表示できる広告。起動画面広告・TopViewと同じ点は導線を設置できること、異なる点はいいね・コメント・シェアなどのリアクションをもらえることです。

TikTokには『レコメンド』という画面をスワイプすれば次々におすすめ動画を表示できる機能があり、そのなかに動画広告を差し込めるので広告感を薄めて配信できるところがメリット。プロモーション表記がある以外はユーザーが投稿した動画とほとんど見分けがつかず、自然な形でユーザーにアプローチできます。

一方で、ユーザーの興味を引けなかった場合はスキップされて広告を見てもらえない可能性も。自然と興味を持ってもらえるような工夫が必要です。

インフィード広告は次の4種類に分かれています。

・OneDayMax:レコメンド画面の4枠目に表示できる広告
1日1社限定/ユーザー1人あたりの表示回数は最大1回/330万円

・OneDayMax Plus:OneDayMaxの拡張版広告
1日1社限定/ユーザー1人あたりの表示回数は最大4回/440万円

・Brand Premium:レコメンド画面の上から130枠以内に表示できる広告
インプレッション保証型/出稿金額に応じて掲載順位が決まる/42万円~

・Reach&Frequency:広告のリーチ人数とユーザー1人あたりの表示回数を設定できる広告
上記の目標値から算出された推定インプレッション数を確認でき、掲載予定日の150日前から出稿予約できます。

・Spark Ads:ユーザーが投稿した投稿動画を企業広告として表示できるメニュー
既存動画にCTAボタンやテキストをつけて配信できるため、UGCを広告として活用したいときに最適です。

このようにインフィード広告は比較的低予算で利用できます。

ハッシュタグチャレンジ

ハッシュタグチャレンジとはTikTok内で独自のハッシュタグ(#〇〇)を設定し、ハッシュタグの内容に沿った動画を作成および投稿を促すユーザー参加型広告です。ユーザー自身に広告感なく拡散してもらうことができ、高いエンゲージメント獲得を期待できるでしょう。

費用はプランによって異なり、ベーシックプランだと1,000万円、スタンダードプランは1,500万円、ハッシュタグチャレンジプラスは1,700万円、バトルハッシュタグチャレンジは2,000万円となっています。ターケティングはできないものの起動画面広告やインフィード広告に表示され、各プランごとにインプレッション数が保証されている点が魅力です。

広告配信費用は高額ですが、ユーザーとコミュニケーションをとりたいなら最適な広告です。「エンゲージメント率はインフィード広告の約3倍」と言われているほど高い効果が見込めます。ユーザーに楽しみながら動画投稿してもらえるため、高品質なUGCを生み出すことにもつながります。

ブランドエフェクト

ブランドエフェクトとは、2D・3D・ARなどを活用して企業独自のエフェクトを制作し、ユーザーの投稿動画に反映・体験してもらえる広告。エフェクト制作のコストや時間はかかりますが、他者と差別化でき、ユーザーに楽しんでもらえます。

ハッシュタグチャレンジと組み合わせて実施する企業も多いです。ブランドエフェクトは新商品のプロモーションに特に効果的。例えば化粧品なら色のパターンを、歯のホワイトニング商品なら使用したイメージをエフェクト上で再現できます。

商品を購入しなくてもTikTok上でテスター体験ができるため、実際の購買にもつながりやすいです。費用はスタンダードプランだと380万円、プレミアムプランだと520万円、デラックスプランだと720万円となっており、プランによって制作できるエフェクトの種類が異なります。

運用型広告

運用型広告(ブランドオークション広告)は少額から自由に予算を設定して配信できる広告。1日あたりの最低出稿金額はキャンペーン単位だと5,000円、広告セット単位だと2,000円となっています。ただし、より高い金額を設定している広告が優位に掲載される仕組みです。

運用型広告は投稿時間や表示させるユーザーを自由に設定可能。TikTokのインフィード広告のほか、動画共有アプリのBuzzVideoや動画広告プラットホームのPangleなどにも配信できます。

画像とテキストを用意すれば簡単に動画広告を作成できる無料クリエイティブ制作ツールも提供されており、作成・広告配信・成果確認がすべてオンラインで完結します。管理画面上ではリアルタイムで成果を確認し、内容を修正できるので、様子を見ながら柔軟に運用したい方に適している広告です。

TikTokの広告活用を成功させるポイント

TikTok広告はただ出稿するだけで商品やサービスの購入などの成果につながるわけではありません。ユーザーが自然に興味を抱き、不信感なく見てもらえる工夫が必要です。広告の効果を最大限発揮するために、以下のポイントを押さえて企画しましょう。

スマホサイズの縦長クリエイティブを作成する

ほとんどのユーザーがTikTokをスマートフォンから利用しています。フルスクリーンで表示できるように、縦型クリエイティブ(9:16)での広告作成・出稿が望ましいです。正方形や横長の動画だとユーザーが違和感や見にくさを感じてしまい、スキップされる可能性大。

TikTokの調査によると、横長画面の広告認知が平均18%、購入・利用意向が平均13%であるのに対し、縦型全画面の広告認知は平均63%、購入・利用意向が平均34%であることが分かりました。
参考:TikTok For Business

また、サイズと合わせて広告の表示領域も要確認。クリエイティブ制作の際はテキストが表示される位置にアイコンやボタンが被らないように気をつけましょう。

3秒以内にインパクトを与えられる構成にする

TikTok広告は動画冒頭の3秒でユーザーの好奇心を刺激するキャッチコピーや結論、ユニークな振り付けなどを表示させることが大切。ユーザーは最初の数秒で動画を見続けるかどうか判断するため、スピーディーに興味を引かなければスキップされてしまうからです。

広告色が強すぎるものは好まれないものの、TikTokの調査によると、動画開始3秒以内に商品を紹介した場合はしなかった場合よりもユーザーの購入・利用意向が高まることが分かっています。一方、広告やブランドの認知拡大が目的の場合は、冒頭で商品を紹介しないほうが効果的なようです。
参考:TikTok For Business

TikTok広告では1つのキャンペーンに対して複数のクリエイティブを設定することが可能です。どのクリエイティブが最もユーザーの関心を引きつけられるのか、ABテストで比較するといいでしょう。

インフルエンサーを活用する

TikTok広告でユーザーの興味を引くために、インフルエンサー(TikToker)の活用も有効です。TikTokユーザーに人気のインフルエンサーの動画を配信することで、いつも見ている動画のひとつとして楽しんで見てもらえます。ファンによる拡散も期待できるでしょう。

実際TikTokの調査では、TikTok広告においてはテレビなどで活躍するタレントよりも、TikTokerを起用した広告の方が広告認知やブランド認知、購入・利用意向が高いことが分かっています。
参考:TikTok For Business

ユーザーに刺さる振り付けや楽曲を取り入れる

ユーザーにTikTok広告を見てもらうために、真似したくなるようなダンス・振り付けや流行りの楽曲を取り入れることをおすすめします。特にハッシュタグハッシュタグチャレンジでより多くのユーザーに参加してもらうには、キャッチーなダンス・振り付けがポイント。

振り付けがTikTok内で流行るとより多くのユーザーの動画投稿を促進でき、注目を集めることが可能です。楽曲はTikTokで話題になっている音源やアップテンポでリズミカルなBGMが◎

違う楽曲をつけた動画を広告配信し、成果を比較してみてもいいかもしれません。

まとめ

TikTok広告はショートムービーで自然にアプローチできるところが魅力。上手に活用できれば、企業のブランディングや商品の認知拡大、購入促進などが期待できます。

広告を自社で企画・制作・配信することもできますが、TikTok広告は種類が多く、難しいと感じるケースも。社内で完結できない場合は広告代理店やSNS運用会社に依頼するのも手です。

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