Instagramは、企業や個人にとって重要なマーケティングツールとなっています。しかし、単にフォロワーを増やすだけでは、ビジネス上の成果にはつながりません。
効果的なInstagram運用には、「目的」を明確にし、それに基づいたKPI(重要業績指標)とKGI(最終目標指標)を設定することが重要です。

この記事では、Instagram運用におけるKPIとKGIの役割や違い、目的別の設定方法、そして成果につなげるための具体的なポイントを詳しく解説します。
Instagram運用で「やるべきこと」と「成果につながる指標」を明確にし、実践的な運用スキルを身につけましょう。

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Instagram運用におけるKPIとKGIとは

まずは、Instagram運用におけるKPIとKGIの意味や役割について詳しく解説します。KPIとKGIの違いや、それぞれがどのように運用の成果を測定し、目標達成に貢献するのかを説明していきます。

KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)

KGI(重要目標達成指標)は、最終的なゴールを測る指標であり、Instagram運用を通じて達成したい成果を示します。これは売上や問い合わせ数、ブランド認知度の向上など、ビジネスの成功に直結する目標になります。KGIは、経営目標やマーケティング戦略と密接に関わるため、長期的な視点で設定されることが多いのが特徴です。

KPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)

KPI(重要業績評価指標)は、KGIを達成するために設定する中間指標であり、運用の成果を具体的に測定するために活用されます。Instagramでは、フォロワー数やエンゲージメント率、投稿のリーチ数などがKPIとして設定されることが多く、これらの指標を適切に管理・改善することで、KGIの達成に近づくことができます。

Instagram運用における目的別のKPIとKGIの設定例

Instagram運用の目的は大きく分けて以下の4つに分類できます。

・ブランド・サービスの認知度向上が目的の場合
・エンゲージメント強化が目的の場合
・リード獲得(問い合わせ・商品購入)が目的の場合
・UGC(ユーザー生成コンテンツ)の促進が目的の場合

それぞれの目的に適したKPIとKGIの設定例を解説します。

ブランド・サービスの認知度向上が目的の場合

Instagramを活用し、ブランドやサービスの認知度を向上させることを目的としたKPIとKGIの設定例です。

【認知向上を目的としたKGIの例】

  • 1ヶ月のブランド名検索数の増加
  • 商品名やブランド名のSNS投稿件数増加

【認知向上を目的としたKPIの例】

  • フォロワー数の増加
  • 投稿リーチ数
  • インプレッション数
  • 保存・シェア数

エンゲージメント強化が目的の場合

フォロワーとのコミュニケーションを活性化し、アカウントへの信頼感や親近感を高めることを目的としたKPIとKGIの設定例です。

【エンゲージメント強化を目的としたKGIの例】

  • 投稿の平均エンゲージメント率が5%を超える
  • コメント数が1投稿あたり50件以上になる

【エンゲージメント強化を目的としたKPIの例】

  • いいね数
  • コメント数
  • 保存数
  • ストーリーズやリールのリアクション数

リード獲得(問い合わせ・商品購入)が目的の場合

Instagramを活用し、商品やサービスの購入や問い合わせにつなげることを目的としたKPIとKGIの設定例です。

リード獲得を目的としたKGIの例】

  • 問い合わせ件数の月間増加数
  • ECサイトのCVR(コンバージョン率)の向上

【リード獲得を目的としたKPIの例】

  • プロフィールリンクのクリック数
  • ショッピング機能のタップ数
  • DM件数
  • 投稿からのウェブサイト誘導数

UGC(ユーザー生成コンテンツ)の促進が目的の場合

ユーザーが自発的にブランドに関連するコンテンツを投稿するよう促すことを目的としたKPIとKGIの設定例です。

【UGC(ユーザー生成コンテンツ)を目的としたKGIの例】

ブランド名・ハッシュタグ付き投稿件数の増加

【UGC(ユーザー生成コンテンツ)を目的としたKPIの例】

  • ハッシュタグの使用件数
  • メンション数
  • リポスト数

Instagram運用におけるKPIとKGIの設定ポイント

Instagram運用におけるKPIとKGIの設定ポイントを解説します。

・目的に対して一貫性を持たせる
・数値目標を具体的に設定する
・定期的にKPI・KGIを見直す

上記の3つのポイントに注意して設定しましょう。詳しくご説明します。

目的に対して一貫性を持たせる

「KGI」→「KPI」の順で一貫性を持たせることで、無駄な施策を避けましょう。目的に沿わないKPIを設定してしまうと効果検証が難しくなります。

数値目標を具体的に設定する

例えば「フォロワーを増やす」→「3ヶ月で5,000人増やす」や「問い合わせを増やす」→「月間30件の問い合わせを獲得」など、具体的な数値を用いた目標を設定しましょう。

定期的にKPI・KGIを見直す

施策の成果が見えない場合は、KPI・KGIを見直して軌道修正しましょう。また季節や市場のトレンドに応じて目標を柔軟に調整します。

Instagramで成果を出すための運用フロー

Instagram運用で成果を出すためには、「目的設定 → KGI設定 → KPI設定 → 施策実行 → 効果測定・改善」のサイクルを回すことが重要です。具体的なステップや注意点を詳しく解説します。

①目的設定:Instagram運用のゴールを明確にする

Instagram運用を始める前に、「なぜInstagramを運用するのか?」 という目的を明確にします。目的があいまいだと、施策の方向性がブレてしまい、効果が薄くなる可能性があります。

目的設定時のポイント

・ビジネス全体の戦略と一貫性を持たせる
→ 企業全体の売上アップやブランド認知度アップなどの目標と整合性を持たせる。

・現実的かつ具体的にする
→ 「フォロワーを増やす」ではなく「3ヶ月でフォロワーを1万人に増やす」のように具体的な数値を設定。

・ターゲット層を明確にする
→ 「20代女性」「子育て世代の母親」「スポーツ愛好者」など、ターゲットに合わせたコンテンツ作成が必要。

【目的の具体例】

  • ECサイトへの誘導を増やして、売上アップにつなげたい
  • 商品やサービスのブランド認知度を高めたい
  • ユーザー参加型のキャンペーンを展開し、コミュニティを活性化したい
  • 競合との差別化を図り、ターゲット層へのアプローチを強化したい

② KGI設定:ビジネスのゴールを数値化する

目的が決まったら、その目的をどのように数値化するかを考えます。これがKGI(重要目標達成指標)です。KGIを設定することで、成果が可視化され、達成基準が明確になります。

KGI設定時のポイント

・ビジネス目標と連動させる
→ 会社の売上や問い合わせ数、ECサイトのコンバージョンなどに直結した指標を設定。

・具体的かつ達成可能な目標にする
→ 達成困難な目標を設定すると、モチベーション低下や施策の見直しが遅れる可能性がある。

③ KPI設定:目標達成のための中間指標を決める

KGIを達成するために必要な行動指標をKPI(重要業績指標)として設定します。KPIを適切に設定することで、施策の進捗状況が把握でき、戦略を微調整しやすくなります。

KPI設定時のポイント

・KGI達成に必要な行動を明確にする
→ KGIに紐づくKPIを設定することで、目的との一貫性が生まれる。

・行動単位をできるだけ具体化する
→ 「フォロワーを増やす」ではなく、「月間1,000人のフォロワー増加を目指す」などのように行動レベルに落とし込む。

・短期間で評価できるKPIを設定する
→ 「1ヶ月後に1万フォロワー」は長期すぎて効果検証が難しい。
→ 「1ヶ月ごとに1,000人のフォロワー増加」など短期のKPI設定が効果的。

<KPIの例>

  • フォロワー数 → 月間1,000人増加
  • エンゲージメント率 → 平均5%以上をキープ
  • 投稿インプレッション → 月間10万回以上
  • ストーリーズの視聴完了率 → 70%以上

④ 施策実行:KPIを達成するための施策を行う

KPI達成に向けて、実際の施策を実行します。Instagram運用における代表的な施策を以下に紹介します。

投稿コンテンツ戦略

  • 画像・動画のクオリティを高める(色合いや統一感を持たせる)
  • キャプションに「CTA(Call To Action)」を必ず含める
  • ユーザーが共感・保存したくなるコンテンツ作成

ストーリーズ・リールの活用

  • 毎日更新による接触機会の増加
  • ユーザーが反応しやすい「アンケート」「質問」機能を活用
  • リール動画を活用して視覚的なインパクトを強化

インフルエンサーやアンバサダー施策

  • 影響力のあるインフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらう
  • アンバサダー制度を作り、ファンを巻き込む

効果測定・改善:PDCAを回す

施策を実行した後は、効果検証を行い、改善点を洗い出します。Instagram運用は「一度やって終わり」ではなく、継続的にPDCAを回すことで効果を最大化できます。

分析時のポイント

・KPIが未達成の場合
→ 施策の内容や投稿時間、ターゲット設定の見直し

・KGIが未達成の場合
→ KPIが正しいか再検証

・フォロワー増加率が鈍化した場合
→ 投稿内容を見直し、インサイト(データ)を活用

・使用すべき分析ツール
→ Instagramインサイト → インプレッションやエンゲージメント率を確認
→ Googleアナリティクス → Instagramからのサイト流入状況を確認
→ SNS分析ツール → 競合アカウントのパフォーマンスと比較

まとめ

Instagram運用で成果を出すためには、「目的」→「KGI」→「KPI」→「施策実行」→「効果測定」→「改善」のサイクルをしっかり回すことが重要です。目的に沿ったKPI・KGIの設定と効果的な施策の実行で、Instagram運用の成果を最大化していきましょう!

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